August 25, 2016 | Posted in ビジネストレンド | By

Social SharingShare on FacebookTweet about this on TwitterPin on PinterestShare on LinkedInShare on RedditShare on Google+Email this to someonePrint this page

アメリカでは商品の定期購入サービスが急速に広まりつつあります。一定の商品を継続的に顧客に購入してもらうビジネス形態は新聞や雑誌などで定着していましたが、インターネットの普及をきっかけに食品(関連記事はこちら)、消費財、衣料品、化粧品、コンテンツなどその範囲を拡大していきました。今日、アメリカで定期購入による個人消費は50億ドル(約5000億円)、その成長率は年間200%、参入ビジネスも1万を超えると言われており(*1)、商取引の一分野としてSubCom(サブコム=Subscription Commerceの略)という新語も使われるようになっています。

*1 From Socks To Sex Toys: Inside America’s Subscription-Box Obsession (Fast Company)

SubComビジネスは消費者にも売る側にもメリットをもたらしています。食品や消費財においては、決まった商品が定期的に届くことで消費者は利便性を享受でき、売る側はプッシュ型で販売することができます。日本でもアマゾンのKindle Unlimitedがスタートして話題となりましたが、書籍や映画、音楽などのコンテンツは、個々の商品購入ではなく特定の条件のもとで見放題、読み放題といった利用方法なので、消費者にとって手軽さが利点となります。ビジネス側は商品使用の権利を売ることになり、使用頻度や期間で様々な価格設定をできるのでより多くの顧客獲得が可能になります。

SubComの先駆者、BirchBox

スタートアップ系SubComビジネスを語る上で欠かせないのが、Birchbox(バーチボックス)という高級ブランド化粧品のサンプル定期購入サービスです。

2010年にスタートした同社は2015年時点で100万人以上の利用者が登録しており、売上は1億5000万ドル(約150億円)以上と見込まれています。その仕組みは、オンラインで登録をして毎月10ドル支払うと、消費者の好みや肌のタイプ、悩み等のプロフィール情報に基づいて選ばれた化粧品サンプルが届くというものです。

このようなキュレーション要素のあるSubComサービスは、eコマースの普及によって増えすぎた商品の中から購入したいものを選びきれないという消費者の悩みを解決しました。消費者は 既に自分のために厳選されたサンプルを試し、お気に入りを見つけることができるのです。また商品を売る側にとっても、事前にある程度ターゲットを把握して商品を届けることができるので、効率的かつ効果的なマーケティングを行うことができます。さらに、Birchboxは大手小売店や実店舗での販売はできないスタートアップ系の化粧品メーカーの商品も扱っており、多くの化粧品ビジネスにプロモーションの場を提供しました。

SubComで日本のOkashiを世界に!

SubComビジネスは日本食にも広がっています。海外に住む人が日本の食品を定期購入できるサービスが次々と登場しているのです。中でも常温で輸送できて軽量な菓子類が人気で、お菓子に特化したサービスは当社の調べて約20社が確認できています。その1つであるTokyo Treatは毎月15ドルから始められるサービスで、海外送料は無料、アニメキャラクター関連商品やフルーツ味のお菓子など、毎月異なるテーマの商品が届きます。さらに長期契約者は毎月500ドル相当のお菓子、おもちゃ、ゲームが入ったお楽しみ箱が抽選で当たるチャンスがあります。

日本の菓子メーカーにとってSubComは新たな販売チャネルとなります。これまでは商社を通じた「輸出」という販路に依存してきましたが、SubComと組むことで新たな市場を切り開くことが可能です。具体的には、以下のようなメリットが考えられます。

  • 海外向けプロモーション・輸出の負担を減しつつ、日本のお菓子に興味がある消費者に確実に届けられる
  • お楽しみボックスとして消費者に届けることで、そのワクワク感からSNSでの投稿が多く、ソーシャルメディア上での露出を増やせる
  • SubComを通して商品を気に入ってもらえばフルパッケージで買ってもらうチャンスあり。また小売店での売り上げ増加にもつながる
  • 定期購入を通してお客を掴み続けることができる
  • Made in Japanのローカルブランドに特化したSubComサービスもあるため、メーカーの規模に関わらずパートナーシップを組みやすい

キャラクターや奇抜なフレイバーを積極的に取り入れ、趣向を凝らした商品が多い日本のお菓子。その詰め合わせには何が届くかわからないエンターテインメント性に長けています。 定期購入を通じて楽しい商品を毎月受け取ることで、海外に”Okashi”ファンが増加しています。SubComビジネスはこのような顧客体験を通して、世界における日本の菓子市場拡大に貢献しており、その可能性はまだまだ広がっていきそうです。

*当社が運営するウェブサイトにて、お菓子に特化したサブスクリプションビジネス4社を紹介しています(英語)

Social SharingShare on FacebookTweet about this on TwitterPin on PinterestShare on LinkedInShare on RedditShare on Google+Email this to someonePrint this page

Be the first to comment.

Leave a Reply